頭部外傷の怖いところは、受傷時はなんともないのに、時間が経過すると、頭蓋骨の中に血が溜まったり、脳がむくんで来たりすることです。頭部外傷に対する脳神経外科医の診察は、もうすでにこのようなことが起こっているのか、それとも今は良くても数時間後は大丈夫なのか、まずは、この点に集中されます。殆どの場合、頭蓋骨や頚椎の損傷を把握するためのレントゲン撮影、頭蓋内の状況を見るための画像検査が行われます。
高齢者の場合、外傷直後には全く異常が無くても、1-2か月後に頭の中に血液が貯まること(慢性硬膜下血腫)が比較的多く起こり、綿密な経過観察が必要です。頭部外傷を契機とする病態には以下のようなものがあります。